ご存知でしょうか。簡単な計算問題を解いているときや声を出して文章を読んでいるときに前頭前野を含む脳全体が活性化することを。
これは、東北大学・川島隆太教授による脳機能イメージング研究によるもので、その研究を活かし、「読み書き」「計算」による脳のトレーニングが開発されました。
脳のトレーニングを高齢者介護施設やご家庭で実践できる教材として提供している『くもんの学習療法』をたなかクリニックでは取入れています。
老人性認知症にスポットをあてた学習プログラムとして脳の前頭前野の活性を目的に取り組んでいます。
前頭前野は次のような大切な働きをしています。
1)思考する 2)行動を抑制する
3)コミニュケーションをする 4)意思決定する
5)情動(感情)を制御する 6)記憶をコントロールする
7)意識・注意を集中する 8)注意を分散する
9)やる気を出す
加齢とともに脳の働きが衰え、それが重度になった状態が老人性認知症です。そこには大脳の前頭前野の機能が深く関わっています。
学習療法は、この前頭前野を活性化することで認知症を予防・改善に応用されています。
たなかクリニックは、『くもんの学習療法』を用いて、学習教材だけで なく、学習者と学習療法スタッフとのコミュニケーションを取りながら行っています。
そうすることで、認知機能やコミュニケーション機能、身辺自立機能などの前頭前野機能の予防・改善につながるからです。
学習内容 |
学習の進め方 |
学習日数、時間 |
「読み書き」と「計算」のプリントを学習します。(教材は大きな活字で読みやすく、一人ひとりに合った課題で、スラスラできるものを選びます) また、プリント学習に加えて計算の学習後に「磁石すうじ盤」という数字のコマを置いていくゲームをしています。 |
学習者(1~2名)と学習支援者(施設スタッフ)がコミュニケーションをとりながら学習します。 スタッフが常に学習者の様子に注意をはらい、学習者が楽しく学習できるようにアドバイスしていきます。 |
週3回から1回、支援者や学習者同士のコミュニケーションを含め、1日20分~30分程度の学習です。 必要に応じて宿題を出し、ご家庭でも学習していただきます。 薬や運動と同様、毎日続けることが大切です。 |